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​終わった世界で彼女の髪は靡かない。

筆者の解釈と作品の設定や裏話を載せます。読者の意向に沿わない場合がございますので、苦手な方はブラウザバックしてください。

 この物語はわざと曖昧にしています。

 そうすることで読者に登場人物達の最後に想像を膨らませてもらおう、そう思い書いたんです。

 ですが、こう思われる方もいると思います。筆者自身が最後を考えるのが面倒で、読者に丸投げしているだけでは?と。

 いやいや、ちゃんと本当の正解はちゃんと用意しています。きちんと考えられる要素を散りばめています。

​ それに気づかせてあげれないのは私の実力不足です。すみません、、、、ってことでここに解説を載せようと思いいたりました。

 どうぞよろしくお願いします。

 まずは、登場人物からですね。

 

 と、言っても二人しかいないんですが。

 *彼女

  私にとっての全て。簡素な服装を着ていて、おしゃべり。これ は後の改稿で書き足しましたが、服の下からちらっとあざが見えます。とにかく美人で(私から見て)魅力的な少女です。「お空」と言葉に幼さを見せることで、年齢を定まらないようにしました。彼女の心から私は生まれました。実際の年齢は分かりません。

 

 *私

  地の文の主です。彼女から生まれた彼女の心のカケラです。彼女にひどく心酔しています。しかし、彼女が終わりを望む一方で私は終わりたくない、と思っています。 

 この二人(本当は一人)の会話で物語は進みます。

 

 実はこの小説、結構殴り書きな点もあり、テーマが定まっていません。しかし、書き終え、暫く置き、考えてみると、私が小説を書く時必ず上げるテーマである『矛盾』がより濃く映し出されていると思います。

 まさしく、この二人は彼女の矛盾した感情が映し出した二人であるからです。

 彼女は現実から離れたい、死にたい心の現れ。私は死にたくないと言う心の現れです。イメージとしては彼女は私の本体です。私は彼女が作った幻です。彼女は私を生み出すことにより、死にたくない思いを薄れさせました。だから、世界が広がったんです。

 さて何故彼女は死にたがっているのか、ここでは舞台はさして重要なものではありません。この舞台は彼女が抱いた思い出の場所のいずれかです。

 ここで一番大切なのは彼女の会話、私抜きで進む彼女の言葉に彼女の真実が隠されています。

 ー「それも今日で終わり」と彼女は悲し気に告げた。

 この文で彼女はいやいや死に追い込まれたことを言っています。彼女にとっての終わりは「死」ですが、彼女が悲し気に告げたのは、彼女と私の「死」であって彼女は死ぬことを怖がってはいません。だから、最初に清々しく告げられるわけです。彼女が心配しているのは、私の「死」です。

 死にたくないと言う私の思い(彼女から生まれた思い)が死ぬことが彼女は怖かったんです。

  

 彼女の現在についても言及していきます。

 ー彼女は現実のカケラを集めた。

 これが彼女の現在です。彼女は「虐待」され「いじめ」られ「自殺」し、死ぬ前の虫の息のさなかこの妄想の世界の中で私と話しています。

 飛行機の話はある比喩です。具体的には『誰も考えつかないことはみんな考えず、日々そこに安全があると信じ込んでいる。』ことへですね。

 考えてみれば、飛行機が行方不明になることは危険なことだし、その飛行機が爆弾を積んで帰ってくることもありえるんじゃないか。時間が過ぎれば危険だという思いは薄れ、妄信的に人々は自分には危険が訪れないだろうと信じている、いじめにあった彼女がそうであったように…って意味とミスリードを誘いました。飛行機でこの世界は終わる、と示すように。実際の彼女は自殺で死にそうになっているんで、この話は彼女の戯言です。

 ー彼女の合図にして

 と書かれている文からもこの世界は彼女の妄想であることが伺えます。(いや、こんな少ない情報量から無理ですよね、すみません)

 ー未来を見つめ続けることは良い事だと、彼女は言っていた。

 この文なんかは悲惨な現在より幸福な未来を思い描くことをいっています。そんなのなかったから悲惨な明日を描き、彼女は爆弾を積んだ飛行機を呼ぶんです。つまり、自殺を選びます。

 しかし、最後の最後で現実の彼女は思ってしまいます。

 ー死にたくない。

 私の消滅は避けられます。

 

 そして最後の真実を写す場面に移ります。

 彼女の最後と私の最後。結局彼女は自殺を選択し息も絶え絶えに。何もかも遅かったのです。妄想である私が彼女の中で生きられる道を選ばれる前に彼女は自分を余りにも死に近づけさせてしまった。自殺した後に「死にたくない」と思っても仕方ないわけで。

 しかし、私には奇跡が起こり、彼女の妄想であった私は彼女を最後に触れることが出来ました。

 だいたいの概要はこんな感じです。

 解説、解釈を読んでいただきありがとうございました。

 ここからは、筆者の裏話になっています。

 解釈してみて思ったのですが、やはりあの情報量で解釈するのは不十分な話ですよね。

 私の実力不足が顕著に表れています。心象描写ともに情景描写、風景描写をもっと書いたらもっと良い作品になっていたのかなと思います。また一からこの作品を書き直すかもしれません。

 この作品なんですが、実はモデルとなった事件があります。事件と言っても飛行機の方の事件で、知っている方も多いと思います。

 上空に飛んでいる旅客機が忽然と消えたあの事件です。

 当時の私は旅客機はどこへいったのかと焦ったのですが、暫くするとニュースに取り上げられなくなり、二三か月して海上に旅客機の破片が見つかりましたが、本体の姿はなく、そこで捜索は打ち切られたとか。

 ぱっと浮かんだのは未だに空に飛ぶ飛行機の映像でした。

 当初はもっと可愛らしい話だったと思います。

 爆弾を積んだ飛行機が上空に無数に飛んでいる中、少女が少年に「この世界はもうすぐ終わるんだ」と告げるボーイミーツガールものでした。

 長い話になりそうだったんでもちろん没な案ですが、またどこかの小説に出すかもしれません。(出さない方が濃厚)

 こう言う曖昧な話は私自身好きで、よく衝動で書きます。

 これまでそういう話を自己満足で書いていたのですが、去年一念発起して、友達に見せたところ「おもしろい」と言ってくれました。

 万人受けはしない作品の部類ですが、好きなものは好きなので、構わず書き続け、上げ続けようと思います。

 その際、ご指摘がありましたら受け付けるのでどんどんして下さい。

 

 さてさて長くなってしまいましたが、ここまで読んでくださった方心よりお礼申し上げます。

 ありがとうございました。

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